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20万分の1 の地球系構想 (改訂2版)

                                                                                        阿竹 克人

  高速インターネットによる動画などのIT化と、アミュ−ズメントテ−マパ−クとの競合の中で、博覧会がいかにテ−マにそった価値ある展示と体験で多くの入場者を獲得するかは大問題です。

そこで提案です。

                                                          地球から見る月

 

○博覧会の目玉として 1/200,000(20万分の1)の地球/月系を作る。

このスケ−ルでは、地球は赤道で直径63.78m  月は直径17.38m

地球月間は1.922kmになり、海上の森と青少年公園の会場の中で距離を再現できる。

      したがってバル−ンで青少年公園の上に地球環境の象徴として1/200,000の地球、

海上の森の上に1/200,000の月をつくると、全体のプロポ−ションが一致する。

(このスケ−ルのバル−ンは技術的に十分可能。)

○これにより青少年公園からみたバル−ン月、海上の森から見たバル−ン地球は実際の視直径と一致する。

○海上の森から青少年公園会場の上空をみると、月から見た地球を実感できる。

○バル−ンの地球も月も、地軸、月軸は実物と平行に配置する。これによって、太陽に照らされている面は実際の地球の昼と一致する。(真上に名古屋を持ってくれば、厳密なワ−ルド真太陽時計になる)

      海上の森は青少年公園の夏至の日の出方向にあたり、白道と黄道の角度差はわずかなので、夏至前後は空間の位置関係をほぼ一致させることができる。(夏至近くの新月の日の出時 青少年から見るとバル−ン月とかすかに見える本物の月が並んでいるのが見える)

(ちなみに2005年の6月22日は満月、6月7日と7月6日が新月)

○月の満ち欠けは宇宙から見ると地球の昼夜と同じものであることが理解できる。

      実際の太陽を使った日食月食のシミュレ−ションもできる。

(会期中4月8日に南太平洋を中心に皆既日食、会期後10月3日にアフリカ、ヨーロッパで金環食、月食は前年の10月28日と会期後の10月17日)


○このスケ−ルでは、バル−ンは温室効果を使った2重膜のソ−ラ−熱気球(外側熱線透過膜、内側熱線吸収膜)で浮上可能である。ヘリウムではないので地上にあるときはパビリオンとして、中に人が入り内側から地球を見ることも可能である。

      構造的にはジオデシックドームの6角形と5角形の球面分割形状に透明な2重膜連結を配置し引張り応力を集中的に負担させる。また内外膜の適所に植物の気孔のような空気弁を設け、対流をコントロールすることで内部温度と浮力を調整する。

      リアルな地球にするために内幕にはランドサットの画像を拡大してインクジェットでプリントする。

○ヘリウムを使わないため、台風などの強風時は内部の空気を抜いてたたむことができる。

通常は日没前後に地上に降りるが、内部の気圧(+0.005気圧)を維持して球状の形状は保持する。晴天の日は日の出後3時間程度で浮上する。

○夜間等に浮上させたい場合は摂氏80度程度の飽和水蒸気を含む空気を必要に応じて注入する。水蒸気は比重が小さく直接浮力を得られる他、高い潜熱と温室効果で温度保持に役立つ。潜熱を顕熱化することで気温を維持し、液化に伴なう水を霧状に放出する。このため内部の温度と湿度と気圧を管理するシステムを内包させる。また必要に応じて赤外線プロジェクションなどで温度を保持する。

○このスケ−ルでは成層圏までの厚さは25センチ、対流圏の厚さはわずか5センチになるのでこれを2重膜でうまく表現すると、いかに地球の大気が薄く、地球環境が脆弱であるかを実感できる。(ちなみに大洋の深さは平均2センチ)

      月バル−ンは月の海と月の陸地の高低差をあらわす2重膜とする。熱気球として標準的な大きさなので海上の森を基地として有人で飛行させることも可能。プレイベントで首都圏などに出張展示ができる。

○宇宙飛行士が宇宙から地球を眺めると、地球環境のかけがえの無さや紛争の無意味さに気づき、人生観や世界観が変わると言われるが、リアルな1/20万の地球月系で、博覧会入場者にこれを擬似体験してもらうことに大きな意義がある。

 

                                                         月から見る地球

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